
「乳がん」は乳腺にできるガンです。
女性がかかりやすいガンといわれ、2008年の女性のガン死亡原因の第一位(*1)でした。「乳がん」が出来る「乳腺」は、「乳管」と「乳腺小葉」で出来ていて、「乳がん」の80%以上は「乳管」で発生します。
「乳がん」は、生きるために重要な骨、肺、肝臓、脳などの臓器に転移しやすいためとても恐いガンです。
「乳がん」の原因のほとんどは、「エストロゲン」です。「エストロゲン」は女性ホルモンの一種で、女性らしい体を形作るためにかかせないホルモンです。
転移しやすいガンですが、体の表面にできるので発見は比較的容易です。ガンを完治させるためには、ガンの進行度が早いうちに見つけ、適切な対処をすることが重要です。
(*1)国立がん研究センター がん対策情報センター

「乳がん」になる女性は年々増え続け、死亡数も増加しています。
生涯に「乳がん」をわずらう日本人女性は、15人に1人といわれています。(*1)
乳がん発症者は1995年から10年間でおよそ2万人増え、2005年には5万人以上が発症しました。(*2)
2008年には11,797人もの日本人女性が、「乳がん」で死亡しています。(*3)
- 国立がん研究センター がん対策情報センター「がん情報サービス」冊子 冊子「がんの統計’12」(公益財団法人がん研究振興財団)10.累積がん罹患・死亡リスク
- 国立がんセンター がん対策情報センター「地域がん登録全国推計によるがん罹患データ(1975年〜2005年)」
- 国立がんセンター がん対策情報センター「人口動態統計によるがん死亡データ(1958年〜2008年)」

日本では「乳がん」と診断される人の割合は30才代から増えはじめ、40才代後半では最も高くなっています。ガン死亡数でみても、40才代女性の死亡理由の第1位です。
閉経前の30才代・40才代女性の「乳がん」診断率が高くなっていますが、最近では50才以上の人が「乳がん」と診断されることも多くなっています。
※【グラフ取得元】国立がん研究センターがん対策情報センター「地域がん登録全国推計によるがん罹患データ(1975〜2005年)」

卵巣で作られる女性ホルモン「エストロゲン」が、「乳がん」の成長に大きく影響を与えているので、乳腺がエストロゲンにさらされる期間が長い人ほど「乳がん」になりやすい結果がでています。
例えば出産未経験者や、初潮が早く訪れた人はかかりやすいといいます。
また、授乳が「乳がん」の予防に効果があることはほぼ確実といわれており(*)、授乳未経験者はかかりやすいと言われています。
(*)国立がん研究センター ガン予防・検診研究センター